最後に行き着くところが同じ
買い物を終えて自転車で帰る道、
昔一緒に働いていた人とすれ違った。
お互いになんとなく気づいていたけど、会釈ひとつするでもなかった。
なぜか時々、テリトリー外にもかかわらず会うのだ。
彼女は人を引き付ける性格だけど、自分勝手なところがある人だった。
例えば、待ち合わせをすっぽかしたにもかかわらず
相手がずーっと待ち続けていたことに対して
「普通、そんなに待たされたら帰らない?気味が悪い!」というふうに。
一時は仕事帰りによく遊んだりもしたが、
今さら何か話したいこともない。
なのになぜまだご縁があるの?
ある時、その理由らしきものがわかった。
うちのお墓と同じ区画で、5メートルと離れていいないところに
彼女のおうちのお墓があったのだ!
お互いもう嫁には行かないのだから、たぶんそこに入るはず。
永遠のご近所さんになるってことだ。
挨拶やお互いの話はむこうに行ってからでいいやと、会うたびに思うのだった。